〜楽屋より〜その１
僕が東京に住み始めた１９歳の頃の話です。
その頃住んでいた所は、風呂もトイレもテレビも電話もストーブもない
６畳一間のまったく日のあたらないアパートだったんです。
で、僕は大風邪をひいてダウンしたことがありました。
高熱にうなされていると、名鏡がドヤドヤとやってきて、
「こんな所で寝てたって治らん！今から俺ん家へ来い！」と言いながら
僕はたたき起こされ、ひとさらいのごとく連れ去られたのです。
名鏡の家は僕のアパートに負けないくらい乱雑していて、お母さんには
風邪薬と頭痛薬を両方飲まされました。そして（おかげで？）
翌朝にはすっかり熱がさがったのでした・・・・。
こんなことが平然とできる男が、名鏡なんです。
こんな男だから名鏡の歌はストレートに心に響くのでしょう。
こんな男だから２０年の月日がたってもバンドサウンドを
よみがえらすことが出来たのでしょう。
僕はこのCDの録音までずいぶんブランクがあったけど、
本当に楽しく演奏することができました。
友達って、音楽っていいなと、しみじみ感じています。
ありがとう。
江澤宏明
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